知ったこっちゃない!
昨年4月、岩国の米軍家族住宅建設を巡り福田市長や市の幹部が話し合った時の協議内容を記録した公文書があります。
その公文書の開示を求め昨年9月、「岩国を守る会 風」(岡田久男代表)は市条例に基づき、文書の情報公開を求めました。しかし市は非開示を決定。「岩国を守る会 風」は異議申し立てをし、市情報公開・個人情報審議会が一部開示の決定を下したにも関わらず、市側は09年4月に非開示を決定しました。
「岩国を守る会 風」の代表の岡田さんは9月2日、山口地裁に「文書を非開示とした市の決定は違法」として、非開示処分の取り消しを求める行政訴訟を起こしました。
ちょうど同じ日、祝島漁業者による上関原発建設予定地田ノ浦の公有水面埋立免許取消訴訟が行われました。
行政訴訟の裁判はドラマのような検察と弁護士が激論を戦わせるということはありません。
原告の意見陳述がなければ、淡々としていてます。
この日の公判も提出書類の確認から始まりました。
原告側の弁護士が、書類の内容について質問します。
「一万m2あるから50cm2位埋め立てても大したことはないという意味ですか?」
と、言うようなことを聞くと県側の弁護士は曖昧に「書いてある通りです」などと言います。
そんな論議が何度か続き、
原告側の弁護士が
「祝島の漁業者に補償をするつもりはありますか?」
と言ったような内容の質問をしたとき、
県側の弁護士は
「補償をするかどうかは、知ったこっちゃない!」
と言い放ちました。
他の発言は言い回しが違ったりしているかも知れませんが
「知ったこっちゃない」と言ったのは、はっきりと覚えています。
傍聴席は騒然としました。
県側の弁護士は慌てて「補償は中国電力が行うもので県が行うものではありません」と続けました。
「知ったこっちゃない!」という言葉を聞いて、県の弁護士が祝島の漁業者達をどう思っているのかが見て取れました。
祝島の漁業者達は「海を埋め立てたら生活が出来なくなる」と訴えているのです。
生存権をかけた真剣な裁判です。
今後も支援していきます。