祝島&長島フィールドワーク 1
10月24日(土)から25日(土)にかけ祝島&長島フィールドワークを行いました。
一日目は上関原発建設予定地長島のフィールドワークです。
長島フィールドワークは、案内を長島の自然を守る会の高島代表にお願いし、
ここ数年毎年行っています。
初めて長島を訪れたとき、森の豊かさに感動しました。
ほんの数年前まで人が入っていた証拠である木を切っていた跡もありました。
人の手によって植えられた木以外にも様々な木々や植物、キノコが茂っていました。
豊かな森には様々な動物も住んでいます。
テン、いたち、猿、きつね、たぬき、カラス鳩・・・。
鬱蒼とし、湿度もありました。
それが、訪れる度に様子が変わります。
今年は竹が繁殖し、土が乾いていました。
昨年は重機から木を守るためとして中国電力が木の根や幹に付けていたゴム製のカバーもありません。
森の姿のあまりの変わりように驚きました。
今回は今まで通ったことのない道を歩きました。
そこには石垣が何段かに渡って作られていました。
段々畑かあるいは棚田にしていたようです。
丹念に石を積み上げ、角になるとことは祝島の練り塀と同じ工夫がしていました。
地面が湿ったところもあり、池のようなものがあった可能性があります。
昔の人の知恵と努力に感嘆しました。
田ノ浦海岸に下りると潮が満ちていました。
海岸からはハヤブサのいる鼻繰島を始め祝島や多くの島々がよく見えます。
この海にはスナメリやカンムリウミスズメ、オオミズナギドリがいます。
今日は満潮なのでタイドプールの観測はあまり出来ませんでしたが、カメノテが珍しい行動をしている場面に遭遇しました。
カメノテは波をかぶる度、殻を開き、奇妙なものを出します。
この奇妙なものは蔓脚(まんきゃく)というつる状の脚で、これでプランクトンなどを捕まえて食るそうです。
海岸近くには遺跡もあります。
縄文時代から中世までのもので、かなりの出土品が出ているようです。
田ノ浦は古代から人々が定住していたのでしょう。
太古から豊かな森と海がある証拠です。
現地での説明会を切に願います。
この豊かな森と海を壊してまで原子力発電所を造る理由が見つかりません。
電力会社は「CO2を削減する」ために原子力発電所が必要だといいます。
その理由もおかしいと思いますが、例え「CO2を削減する」ためだとしても
今残された貴重な森と山を壊す理由にはなりません。
夜は「上関原発建設を建てさせない島民の会」の山戸孝さんのお話をお聞きしました。
山戸さんはまず、この間の田名埠頭の闘いをビデオで説明した後、
原発反対運動や祝島の農業について話されました。
この間、シーカヤックの若者や環境問題を考えている若いお母さん達が原発反対の声を上げていることに
祝島の人達は力づけられているそうです。
確かに島で農業をしていくのは大変だそうです。
でも贅沢はできないけど暮らしていける。
作った人と買う人がお互いを理解することで、安全な食べ物を提供できる。
祝島のヒジキを気に入って買っている人が原発問題を知り、
「こんな美味しいヒジキが、原発のせいで食べられなくなるのはイヤだから
応援するためにもヒジキを買い続ける」
と言われたこともあるそうです。
祝島は魚だけでなくヒジキもビワも干し大根も石豆腐もタコの燻製もとても美味しいです。
食の安全を守るためにも原発を建てさせてはならないと改めて思いました。