日韓被爆二世交流会

6月25日(土)~26日(日)山口において日韓被爆二世交流会が開かれました。
主催は全国被爆二世団体連絡協議会、韓国被爆二世の会、原水禁国民会議らです。
韓国(釜山、平澤、馬山、ソウル)から6名の被爆二世の方と日本(広島、長崎、鹿児島、
福岡、島根、神奈川、東京、山口)の被爆者、被爆二世及び支援者が二日間にわたり交
流を行いました。

25日(土)
フィールドワーク

私達は関釜フェリーで下関に着いた韓国の被爆二世の方々を迎えに行き、秋芳洞へ行きました。
秋芳洞は山口県の観光スポット№1の場所です。
梅雨時期でも涼しく、様々な形の鍾乳石を見ることができます。韓国語の案内もあります。
約1時間ほど洞内を案内し一路山口市へ向かいました。
山口市には(財)山口県原爆被爆者支援センターゆだ苑があります。
そこへ案内し、職員の渡辺さんよりゆだ苑の歴史を説明していただきました。
渡辺さんは宇部市の共同墓地に埋葬されていた朝鮮半島出身の被爆者2人の遺骨を発掘し、
原爆死没者之碑に安置していることや韓国と日本の被爆者との交流を行ってきたことを話されました。
次に原爆死没者之碑を案内しました。献花の後、韓国被爆二世の会の会長・李太宰さんより、
朝鮮半島の被爆者を埋葬していることへのお礼が述べられ、韓国の国花であるムクゲがあるとここに
韓国人被爆者が安置されていることがわかるので、寄贈したいという申し出がありました。
最後に瑠璃光寺に案内しました。
懇親会
夜に行われた懇親会では韓国の原爆被害者を支援する市民の会の広島支部長の豊永恵三郎さんが
「日本における在韓被爆者支援活動」と題し、講演をされました。豊永さんはこれまで支援された方の
中から7名の方を中心に、被爆者手帳を取ることから苦労されていることなど話をされました。
そして「手帳を取得しても、母国に帰ると使えなくなる制度が未だにある。在外被爆者へ被爆者援護法
が完全適用されるよう今後も活動を続けていく」と宣言されました。
各地から来た被爆二世の自己紹介では、多くの人が福島原発事故の不安を語りました。
放射能による被害がまだ解明できていない部分が多くあるにもかかわらず、専門家達が「直ちに影響
がない」と言うことに私達は強い憤りを覚えます。

26日(日)
日韓被爆二世交流会

50名の参加の下、日韓被爆二世交流会がかんぽの宿・ゆだで行われました。
まず、全国被爆二世団体連絡協議会副会長の寺中より、今回山口でこのような交流会が行われた
ことへのお礼と挨拶がありました。
来賓の挨拶では原水禁国民会議の井上年弘さん、原水禁山口岡本博之議長、憲法を活かす市民の会・
やまぐちの共同代表世話人 藤井郁子さん、山口県議会議員 佐々木明美議員が挨拶をされました。
藤井さんは「憲法には三つの原則がある。主権在民、基本的人権の尊重、平和主義。山口県には
岩国基地問題がありとても守られている状況にはない。被爆二世の方と一緒に闘っていきたい」と、
佐々木県議は「1942年、山口県宇部市にあった長生炭鉱が水没事故を起こし、強制連行された朝鮮人の方、140名近くが犠牲になった。韓国から遺族を招き、慰霊祭を行っている。」と話されました。
続いて、韓国の被爆二世の会から福島へのカンパを頂きました。
これまでにも被爆者や高校生と一緒に街頭などでカンパを集め、送って下さったそうです。ありがたいです。
また韓国から来られた6名の紹介がありました。
「日本の人々が侵略戦争の加害について謝罪されるのを聞くと癒される」と言われたことが印象に
残っています。
この後、3つの報告が続きました。
報告1「福島原発事故について」  原水禁国民会議 井上年弘さん
福島の現状を話された後、「被爆二世の皆さんが国にガン検診などを求めているがそれらを福島の
人達にも適応させるようにしていきたい。被爆二世が声を上げることが福島の人の励みになる。」と
言われました。
今後の行動提起として、全ての原発の廃炉を求める1000万人署名、命を軽んじられたオキナワ、
ヒロシマ、ナガサキ、フクシマでの原水禁大会、9・19「さよなら原発1000万人アクション」を呼びか
けられました。
報告2「韓国の被爆二世の活動について」
韓国被爆二世の会代表 李 太宰さん
李さんがお父様の李康寧さんが被爆者だと知ったのは、結婚し子どもが生まれた後だったこと
、早く知っていれば被爆二世の活動にもっと早く関われたと思う一方、父にとって打ち明けるのが
難しかったことも理解できると話されました。そしてこれまで関わられた日韓被爆二世交流会の様子
を写真を披露しながら紹介されました。
報告3「山口被爆二世の会の現状と日本の被爆二世運動の課題について」
全国二世協副会長・山口二世の会代表 寺中正樹
山口からは被爆二世健康手帳運動の成果により山口県に「被爆二世健康診断記録表」を発行させ
たことや反戦・反核・反原発・被爆二世に国家補償を求め運動していることを伝えました。
また今年2月と4月にあった二世の交流会の様子も知らせました。
全ての報告の後、「福島原発事故に関する被爆二世としての決意」を全会一致で採択しました。

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