祝島&長島フィールドワーク

10月8日(土)~9日(日)祝島&長島フィールドワークを行いました。

1日目
参加者とともに祝島に上陸しました。
前日より祝島入りしている参加者と合流して「こいわい食堂」に向かいました。
「こいわい食堂」は昨年できました。ほとんどの食材を祝島の農家、漁師、畜産家が作っています。
メニューには誰が作った食材かが細かく書いてあります。完全予約制。
それは少人数のお客さんに心を込めたおもてなしをしたいという芳川太佳子さんの方針です。
私たちが予約したのは「こいわい定食」。これにオプションに豚を頼みました。
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「こいわい食堂」では食べる前に太佳子さんから食材についての説明があります。
どんな人が育てたのか、釣ったのかを聞くので安心して食べられます。
ごはんはお釜で炊いており、お焦げが香ばしい。
また太陽熱だけを利用して、煮る・焼く・蒸すなどの調理を行うソーラークッカーも使っています。
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「こいわい食堂」の母屋には太陽光パネルがあります。
これは島の電力自給100%を目指すプロジェクトの一環です。
「こいわい食堂」でゆったりとした時間を過ごした後、コーヒーが飲みたくなり喫茶店「和た屋」に行きました。「和た屋」も昨年できました。
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おいしいコーヒーを飲みながらメニューをみていると、「よばれうどん」という聞いたことのない名前が気になりました。
どんなものだろうと皆で想像しても埒があきません。
思い切って店主に聞いてみました。
「よばれうどん」とは祝島の冠婚葬祭時に振る舞われたうどんだそうです。
祝島では冠婚葬祭の時に参加者を募るのではなく、来たい人が来る方式なので、何人分用意すればいいのか見当がつきません。
そこで、うどんをたっぷり用意し、来た人に振る舞っていたそうです。
家の中だけではなく庭にもお膳を並べ、たくさんの人で冠婚葬祭を行っていたそうです。
祝島の団結力は昔からの習わしに通じているのだと感じました。
その後、自転車や徒歩で祝島の散策を開始しました。
秋だというのに暑いくらいの日差しのなか、自転車班は氏本農園まで行き道路沿いにある豚の放牧地を見学しました。
夕食はみさき旅館で頂きました。
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太刀魚、ハマチのお刺身、海老の天ぷら、鯛の吸い物、石豆腐、オムレツetc
こちらも祝島の方々が作られたり、釣ってこられたものです。
本当に美味しくてありがたい。
夜は「上関原発を建てさせない祝島島民の会」の方々に今の状況をお聞きしました。
3・11以後、原発はもうできないのではという雰囲気が町内にあるようです。
今回の町長選では原発推進対反対というより、原発財源に頼らずどう町政を行うのかが争点になりました。
どちらの候補者に入れても原発ができないのなら実績のある現町長に入れた方が町政が上手くいくのでは、そう考えた町民も多かったようです。
山戸さんは「原発のない町政にならいくらでも協力する」とおっしゃってました。
その一つが第六次産業です。
第六次産業とは第一次産業(農業、水産業)、第二次産業(食品加工)、第三次産業(流通、販売)を合わせたもので、祝島ではすでに行っています。
これを上関町全体で行えば、農業、漁業を守りながら若者の職場の確保もできると考えられます。
今年立ち上げた「祝島 自然エネルギー100%プロジェクト」も進んでいます。
福島の状況には山戸さんたちも大変心配されており「住民は除染ではなく、とにかく避難すべき」と言われました。
まず避難し、その後、どうすべきかを考えたらいい。
祝島にも避難してきた人たちがいたそうです。
落ち着き先を決めていなかったので、しばらく祝島に滞在し、落ち着き先を見つけまた引っ越していったそうです。

二日目
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祝島の夜明けは感動的です。
今はかなり東側から朝日が昇っていますが、夏場は田ノ浦上空から朝日が昇ります。
二日目のメインは長島フィールドワークです。
昼便のフェリーに乗り、長島へ向かいました。
四代港から田ノ浦を目指します。
途中、警告文の書かれた看板が現れました。
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これは私たちが3月12日に訪れたときにはありませんでした。
つまり3・11に起きた福島原発事故の後に立てたものです。
少し走ると、また、看板がありました。
結局、その後も言葉を少しずつ変えながら9枚もの看板が立っていました。
田ノ浦海岸はものものしい看板とは裏腹に穏やかでした。
時折、中国電力の敷地内から田ノ浦海岸に入らないようにとアナウンスが流れていましたが、3月12日には海岸にあったオイルフェンスやパイプが片付けられていました。
今は工事もストップしています。
コンクリートの桟橋はまだ残ったままです。
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自然には浄化力があります。
中国電力が撤退してくれれば田ノ浦は今以上に命あふれる海になるでしょう。
「長島の自然を守る会」のお話ではオオミズナギドリが今年も子育てをしているそうです。
オオミズナギドリが瀬戸内海のような内海に生息しているのは上関町宇和島のみ。
親鳥は普通、ヒナ鳥のために300kmも飛んで餌を探し回るそうですが、宇和島では50kmほどしか飛んでいません。
それだけ餌が豊富で遠くまで飛ぶ必要がないそうです。
また「長島の自然を守る会」ではエコツアーのための船を買いました。
今後スナメリウオッチングなどを計画し、船の上で、もずくを採り天ぷらにして食べる案もあるそうです。
上関町の町おこしの一環になればと言っておられました。
今回のツアー参加者の中にモンゴルの研究をされている方がおられました。
以前、アメリカと日本が一緒になって放射性廃棄物処理場をモンゴルに作ろうとしていましたが、モンゴル政府は外国の放射性廃棄物は国内に入れないことを決めたそうです。
しかしモンゴル政府は原発を国内に作ろうとしています。
地震の多い日本に原発があるのだから、地震のないモンゴルなら安全だ。
そんな安全神話をモンゴルに作ろうとしています。
原発は事故がなくとも労働者が被曝し、何万年も管理しなくてはならない放射性廃棄物を作り出します。
日本の原発を止めることはモンゴルを始め世界の原発を止めさせることに繋がります。

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