上関原発建設計画の中止を求める要請行動
10月17日、「原発いらん!山口ネットワーク」や「憲法を活かす市民の会・やまぐち」などと共に上関原発建設計画の中止を求める申し入れを行いました。
中国電力が上関原発建設を目論む田ノ浦の公有水面の期限が10月7日0時に切れます。
その直前の5日、中国電力は田ノ浦の公有水面埋立免許の延長申請をしました。
今回の申し入れの目的はこの延長申請を速やかに不許可にするよう県側に要請することです。
この件について県側は、「『延長は認められない』という山本知事の考えを踏まえ、延長申請については適切に審査していく」と答えました。
また、今回の申し入れでは何度も県側から「脱原発依存」と言う言葉が出てきました。
もちろん山口県の姿勢は「国のエネルギー政策に協力し、地元上関町の意見を尊重する」というものなので、油断は出来ません。
今後も申し入れを重ね上関原発建設計画の白紙撤回を実現させたいと思います。
2012年10月17日
山口県知事 山本繁太郎 様
原発いらん!山口ネットワーク
憲法を活かす市民の会・やまぐち
被爆二世の会
「上関原発」建設に反対する2市4町議会議員連盟
全国一般労働組合全国協議会 山口連帯労働組合
アジア共同行動(AWC)山口
子供たちの未来を考える親の会
日本キリスト教団西中国教区核問題特別委員会
いのち・未来 うべ
環境と自然エネルギーを考える市民の会
やまぐち障害者解放センター
戦争・差別・貧困とたたかう学生グループあすじゃ山口
上関原発建設計画の中止を求める要請書
貴職におかれては、平素から県民の生活と福祉の向上のための重責を担われていることに深く感謝と敬意を表します。
さて、2011年3月11日14時46分頃に発生した東北地方太平洋沖地震と津波により東京電力福島第一原子力発電所で甚大な事故が起きました。野田首相は同年12月に「収束」を宣言しましたが、原子炉内部の状態は確認できず、核燃料はどうなっているかもわからない中で多くの労働者が被曝覚悟で働くことを余儀なくされ、原発から放出された放射性物質で汚染された地域は人の住めない状態となっている状況では、とても「収束」とは言えません。
火山列島、地震大国と呼ばれる日本ではいずれの原発も使い続けるべきではなく、ましてや原発新設などは論外のことと考えます。
私達が一貫して上関原発建設計画に反対してきた理由は、第一に、原子力発電所はその稼働過程において被曝労働者を生じさせ、第二に、発電時には常に放射性物質を排出し、第三に、事実上不可能なほどの未来永劫にわたって放射性廃棄物を厳重に管理する必要があり、第四に、ひとたび事故が起きれば放射線による回復不能な悪影響を人間と自然、大地に与えるからです。
原発問題が持ち上がって以来30年間、原発への賛否によって地元上関町は二分された状態が続いています。原発建設予定地の田ノ浦の対岸にある祝島の島民はこの30年間、体を張って原発建設計画に反対・抗議を続け、その懸命な取り組みのおかげで上関原発はできておらず、県民も、原発が存在することによる不安や被曝におびやかされることなく生活することができています。また、福島原発事故後は、上関町政としても原発を抜きに町を立て直そうとする動きも始まっています。
今回の福島原発事故で多くの県民があらためて原発の危険性を知り、反原発集会には多くの県民が参加するようになっています。県民は原発のない山口県を望んでいます。
枝野幸男経済産業相は10月5日、閣議後の記者会見で、上関原発について「原発を新増設しない原則の適用対象だ」と述べ、建設を認めない考えを示しました。しかし、その同じ日の夕方、中国電力は田ノ浦の公有水面埋め立て免許について3年の延長を山口県に申請しました。
私達は中国電力の態度に非常に怒りを感じています。
貴職におかれては、原発問題を先延ばしにするのではなく、「脱原発依存はあたりまえの話」と知事選挙公報で明文化されておられるように、県民の命と暮らしを守るために県の責任において上関原発建設計画を終息させてください。そして原発のない上関町の再建支援の方向へと政策のかじを切っていただき、上関町を、対立のない町に一日も早く戻していただくようお願いします。
よって以下のとおり要請いたします。
1 田ノ浦の公有水面埋立事業免許の延長申請を即時、不許可にすること。
新規申請があったとしても受け付けないこと。
2 原子力発電所の建設計画の同意を取り下げること。
3 田ノ浦の浜や県の魚付き保安林を原状回復するよう、中国電力に指導すること。
4 上関原発建設に抗議する人達に対して行われている損害賠償請求を取り下げるよう
中国電力に強く助言すること。