祝島&長島観察会 一日目
4月27日~28日祝島&長島観察会を行いました
27日
「長島の自然を守る会」の高島代表より、中国電力が上関原発建設を目論んでいる山口県上関町長島の田ノ浦についてスライドを使って説明して頂きました。
=高島さんのお話し=
高度成長期、瀬戸内海沿岸は開発が進み、工場開発により埋め立てや護岸工事、海砂採取などで自然のままの海岸は殆ど壊されました。
しかし田ノ浦周辺は、珍しく自然のままの海岸線が残っています。
しかも豊後水道から黒潮が流れ込み、太平洋の珍しい生き物(特に貝類)を運んできます。また山から田ノ浦に大量の栄養豊富な冷たい地下水が流れ込んでおり、通常は日本海でしか見られないような海藻が生息しています。
「長島の自然を守る会」は海藻や貝類、鳥類などの研究者を招いて調査を行ってきました。田ノ浦を訪れた研究者は必ずと言って良いほど、この場所のとりこになり「上関は奇跡の海だ」と言われます。珍しい生物も多数見つかりました。
中国電力の調査では見つからなかった生き物たちです。
これまで中国電力は国のお墨付きがあれば再調査はするが、そうでなければ再調査はしないという態度を崩しませんでした。
昨年、環境省が作成した新たなレッドデータブックに田ノ浦やその近郊で見つかった生き物が登録されました。
もし中国電力が田ノ浦を埋め立てようとするなら、再調査をしなければならくなりました。
約一時間のレクチャーを受けた後、「きぼう」に乗船し、長島の観察に向かいました。
海にはまだ中国電力が工事地域を示すブイが浮かんでいます。
取水口と放水口を予定している場所にも案内していただきました。
二つの場所はかなり離れています。これは他の発電所と比べても離れている方だと高島さんは言われました。離れているということは、それだけ長い配管が必要になります。配管内部への貝類の付着を防ぐため取水口から取り込む海水には次亜塩素酸ソーダなどの殺生物剤を混ぜ、放水口より排出します。また排出された海水は原子炉の冷却のため7℃も高くなります。そのため取水口から取り込まれた貝類だけでなくプランクトンや稚魚までが死滅します。
そうした説明を受けた後、田ノ浦湾に近づきました。
田ノ浦湾は昨秋とあきらかに違っていました。
2012年10月の田ノ浦
2013年4月27日の田ノ浦
昨年秋にはあったプレハブ小屋や重機がなくなっているのです。
このまま、海の埋立を止めて欲しいと願いました。
近くの鼻繰島には、はやぶさの巣があります。
残念ながらカンムリウミスズメやスナメリにはあえませんでしたが、意義深い観察会でした。。
夕方、みさき旅館さんで美味しい夕食に舌鼓を打ちました。