2024上関原発を建てさせない山口大集会報告

3月23日(土)、上関原発を建てさせない山口大集会が維新百年記念公園・野外音楽堂で開かれた。小雨が降り続くなか県内外から800名が参加した。野外音楽堂は舞台と観客席の一部には屋根があるが他の場所には屋根がない。参加者は傘を持ったり、カッパを着て参加した。
 主催者あいさつなどの後、講演に移る。
 まず、今野寿美雄さん(福島市・「子ども脱被ばく裁判」原告代表)が話された。以下要約
 福島第一原発は津波ではなく、地震で壊れた。女川原発は奇跡的に助かった。東海第二原発は地震の一週間前に防護壁が完成して、津波を受けても非常用ディーゼル発電機を使うことができ、冷却機能を保った。
 福島県が各地の公務員住宅に避難している自主避難者に二倍の家賃を請求し、追い出そうとする。国は原発事故が起きても国民、県民を守らない。病気になることも避難することも、自己責任という。あきらめず声をあげ続けよう。

 中嶌哲演さん(小浜市・原発設置反対小浜市民の会事務局長)は北陸地方の状況を話された。以下要約
 若狭に原発15基ある。そのうち関西電力の原発の出力合計は977万kWで、地元の人が必要とする電力は6〜7万kWである。大飯原発三、四号機は巨大な原発で各118万kWの出力。この二基が一年間動くと、使用済核燃料の中に30トン=広島原爆2千発分の死の灰ができ、長崎原爆60発分のプルトニウムが生成される。このような危険な原発は過疎辺境の地に作られる。この二基が一日動くと、1kW20円として電気料金約10億円の収入になる。老朽原発を含めて、何としても稼働させようとする理由となる。兵庫、大阪、和歌山など瀬戸内海沿岸には9ヶ所31基、出力合計1440万kWの火力発電所を設置し、都市部で電力を利用している。なぜ原発だけ過疎地に作るのか。日本の北から南まで、原発は過疎地に作られている。
と話された後、小浜市での中間貯蔵施設建設計画を阻止した経験を話された。
 学習会を行い、地元を中心とした反対署名に取り組んだり、市長選で各候補者に質問を送ったりした。二人の市長候補者はともに、中間貯蔵施設反対を表明した。
 「核のゴミ 誘致許さじ 然(さ)はあれど 他所(よそ)ならよきやと 人の問うあり」
 中間貯蔵施設を小浜市は断ったが、上関に押し付けたくはない。
 最後に上関と連帯して闘うことを宣言した。

山口県内からは4つの闘いが報告された。
 上関町町議(祝島)は、「原発の安全性に不安を持っている。原発・中間貯蔵施設に反対の声を国・県・中電に届ける」と断言した。
 上関の自然を守る会は「原発交付金による地域の活性化は幻想だ。豊かな自然、漁師の営み、足元の宝物に目を向けて、自立した町づくりが必要。核施設反対は故郷への愛情を取り戻す闘いだ」と力強く挨拶した。
 その他に、中国電力が祝島島民の会に海上ボーリング調査を妨害しないことを求める裁判の弁護をする中村弁護士が、裁判の報告や中間貯蔵施設建設に反対する周辺市町の議員も登壇し、移住希望者は中間貯蔵施設建設の問題が浮上した途端に移住を諦めたことなどをあげ、中間貯蔵施設建設は上関町だけの問題ではないことを明らかにした。 

最後に集会宣言を採択し、「命の海」と書いた青い紙を全員で掲げて原発反対をアピールをした。

 会場の外ではマルシェが開かれた。当会は例年通り、「戦争も核の被害も許さない写真展」やキッズコーナーなどを行った。隣では「上関の自然を守る会」が寒ボラ弁当やボラサンドなどを販売していた。
 午後より舞台上で車座になりゲストと語り合う場が設けられた。中嶌さんが山口県のことを「原発を建てさせなかった山口」と表現されたそうだ。今後も原発も中間貯蔵施設も建てさせなかった山口を維持し、他道県の原発も廃炉にさせる運動をしていこう。

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