原爆投下容認授業に対する抗議

報道によると、米統合軍参謀大学で行われた「イスラム聖戦に対抗する作戦モデル」の授業の中で、
一般のイスラム教徒に対する無差別攻撃が容認されるという講義が行われていたことがわかったそう
です。その例として米軍の広島・長崎への原爆投下や大空襲をあげています。
こうした授業が未だ行われていたことに怒りがわきます。
当会はブッシュ大統領宛に「抗議及び質問書」を送りました。
回答は届き次第、報告します。


2012年5月23日

アメリカ合衆国大統領
バラク・フセイン・オバマ・ジュニア 様

被爆二世の会 代表 寺中 正樹

抗議及び質問書

 拝啓 当会は貴国が投下した原爆による被爆者を親に持つ被爆二世で構成された被爆二世の会です。
報道によりますと、米統合軍参謀大学で、中堅幹部に向け、イスラム教徒の一般市民に対し、広島や長崎への原爆投下や東京、ドイツ・ドレスデンの空襲のように無差別攻撃が容認されるといった内容の講義が行われていたと聞きます。また米軍では昨年も、核兵器の発射を担う空軍将校向けの訓練の一環で、キリスト教の聖戦論を教えていたことがわかっています。また、貴国の下院軍事委員会の国防権限法案に、韓国への戦術核の再配備を勧告する条項が盛り込まれていることがわかっています。
ご存じの通り、広島・長崎への原爆投下によって、1945年12月までに広島では14万人、長崎では7万4千人が死亡したと言われています。その多くが非戦闘員でした。妊娠した女性、生まれたばかりの赤ん坊、乳幼児、子ども、学生、高齢者も殺されました。生き残った被爆者も火傷と放射線障害で苦しみました。親の苦しみを見ながら育った私たち被爆二世は、原爆はどのような理由があっても絶対に使ってはいけないと考え、被爆者と共に訴え続けています。
今回のような報道を聞くと、アメリカはまだ核兵器を使おうとしているのか、被爆者の訴えは何だったのかと、非常に怒りがわいてきます。米軍の幹部がすべきことは、広島・長崎の原爆資料館に行き、核兵器が人間をどれほど苦しめているのかを学習すすることです。また、スミソニアン博物館などで原爆の威力だけを展示するのではなく、人間への被害の酷さも展示すべきです。
そして何より、被爆者に謝るべきです。
貴国が目指す道は核兵器を利用して他国を侵略するのではなく、核兵器をゼロにするとともに対話による外交を行うことです。以下質問しますので、ご回答の程、よろしくお願いします。

一、同講座の内容を具体的に教えて下さい。
一、どういう経過でそのような講座を行う事になったのか、また中止したきっかけを教えて下さい。
一、報道では同大学の報道担当者が「不適切だと考える」と答えていますが、何を不適切だと考えている
のか教えて下さい。
一、現在、同大学では原爆についてどう教えていますか。
以上

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