瀬戸内海の生物多様性保全のための三学会合同シンポジウム

1月10日「瀬戸内海の生物多様性保全のための三学会合同シンポジウム」が広島国際会議場で行われました。
このシンポジウムでは陸(日本生態学会自然保護専門委員会)、空(日本鳥学会鳥類保護委員会)、海(日本ベントス学会自然環境保全委員会)の三学会が一堂に会し、「上関。瀬戸内海の豊かさが残る最後の場所」と題して、それぞれの立場からの研究発表をされました。
参加者は約600人。
開会の挨拶で日本生態学会の立川さんは「上関周辺海域を訪れたとき、実に素晴らしい環境が残されており、後世に残すべきだと思った。2010年は国際生物多様性年の年。自然環境と共生を目指していきたい」と語られました。
続いて、川田龍平国会議員が現地視察をした感想を述べられ「社会の仕組みを自然環境が守られる仕組みにしなくてはならない。命が最優先され、次の世代につながる社会を目指す」と発言されました。
川田議員と共に現地視察をされた平山国会議員も挨拶をされました。
三学会の講演の前に佐藤さん(鹿児島大学)が「上関原子力発電所計画のあらまし」を述べられました。
瀬戸内海は日本一の内海。中国電力の環境影響調査書は不十分で、もっと慎重に環境アセスを行うよう3学会が要望書を出し続けている。鳥学会が山口県に対し要望書を出した一ヶ月後に山口県は田ノ浦の埋め立て許可を出した。小さな生物を守ることが人間を守ることにもつながる。
講演1「周防灘に残されている瀬戸内海の原風景」加藤真さん(京都大学)
上関は最後で最大の多様性が残された場所。原子力発電所の建設は海水温の上昇や海水の放射能汚染だけでなく、冷却水中に多量に投入される殺生物剤によるプランクトンの大量死滅をもたらし、周防灘の生物多様性に悪影響をもたらす。
講演2「上関に生息する希少な鳥類について」飯田知彦さん(九州大学大学院・日本生態学会)
カンムリウミスズメは世界で5000羽で虎と同じぐらい希少な生物。謎が多く非繁殖期にどこにいるのかわからなかった。それが上関周辺で確認された。上関はロストワールド。失われたと思っていた自然環境が残っている。
講演に続いて三学会が中国電力に対し行った要望書の説明がありました。
どの学会も中国電力があまりにもずさんな環境アセスを行っていることを批判しました。
また種を保存するためには、その種だけでなく多様な生物が生きられる環境を保存することが大事だと話されました。
シンポジウムは3時間にわたりましたが、時間の長さを感じさせない充実したものでした。
会場にはナメクジウオが来ていました。
目もなくせき髄もない原始的なこの生物は綺麗な砂堆がなくては生きていけません。
田ノ浦にはナメクジウオがいます。
それは綺麗な砂堆がある証拠です。
貴重なこの場所を今は祝島のお母さんやシーカヤッカーが守っています。
中国電力は電気が余っています。
なぜ貴重な田ノ浦をつぶしてまで原子力発電所を建てようとしているのか理由が分かりません。

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