8・28さようなら上関原発全国集会
被爆地、広島と長崎から駆けつけた「上関原発建設反対キャラバン」も加わり、1250名の参加のもと、「8・28さようなら上関原発全国集会」が開催されました。
まず、地元山口の原水禁山口県民会議の岡本議長より「さようなら原発1000万人アクション、1000万人署名を行いながら脱原発を大きな国民運動にしていきましょう!」とあいさつ。
次に、上関原発を建てさせない祝島島民の会の山戸貞夫代表より
「私達上関町に住む人々は30年間にわたって、この地でなんとかこの豊かな自然とおおらかな人々の生活を守ろうと原発計画反対運動に取り組んで参りました。今年の2月にも電力会社が国の後押しを受けて強行してきた埋め立て工事も地元の人々や多くの応援する仲間のおかげで、その工事もストップさせました。
その後のにらみ合いが続く中、3月11日東日本の大震災、そして福島第一原発の事故が起こりました。私達のもとに福島で原発事故の被害を受け各地に避難している人達が訪れています。被害者の皆さんの話を聞くと本当に切実です。今まで住んできたところを自分に何の罪もないのに追い出され、未だ定住する場所がみつからない。故郷を捨てなければならない。そういう悲しみを語ってくれます。私達が原発計画に反対したのは、実はこの上関町がそうならないようにと思って願って動いてきたのがその原点だと思います。
100万人を目標にして取り組んだ上関原発反対の署名は、先日、目的を達することができ、経済産業省にも提出しました。
現在、上関では原発を進めようとする計画が全面的に止まっております。ただ私達は今工事が止まっているからといって安心できません。今の政府や国の流れから見ていつまた人々の生活を破壊しつつある原発建設を再度進める動きが出てくるかもわかりません。今私達の願いは工事がストップするのではなく、上関原発建設計画自体を止める、日本の原発の新増設自体を止める、そういう政府を作っていきたいと言うことです。まず、新増設を止め、その後稼働している原発を全て無くしていく。
今日、集まられた皆さんに感謝すると共にこれからも共に手を取りあって闘っていきたいと思います。これからもよろしくお願いします。」
と挨拶されました。
長島の自然を守る会の高島美登里代表は
「上関は世界中の注目をあびています。世界で5000羽しかいないカンムリウミスズメが世界中で上関町だけ一年中みられるということ。そしてオオミズナギドリという鳥が世界中で一番狭い範囲で子育てできる場所だと最近わかりました。それはここがカンムリウミスズメにとってもオオミズナギドリにとってもいかに餌がとりやすい暮らしやすい場所であるかを物語っています。
近々、世界の太平洋の海鳥グループと日本の海鳥グループが政府に向かって絶対にここに原発をつくらせてはいけないという要望をだされることになっています。そして私達は世界自然保護連合という世界中で大切な環境を保護する団体に登録の申請をすることにしました。来年は韓国で世界全体の集まりがあります。そこでここの海を環境を守ってくれと国際世論に訴える予定です。
私達もとにかく上関原発は絶対に作らせない。そして、貴重な環境を守る。それによって人々の暮らしを守る。人と生き物が共に安心して暮らす。そういう上関町を目指し頑張っていきます。これからもご支援よろしくお願いします。」
と挨拶されました
福島平和フォーラムの竹中柳一代表は
「私は根っからの福島県人ではありません。30年間東京に住んで、原発を推進する東京電力を使ってきました。そういった意味で複雑な思いがします。
私の住む現在南相馬市は警戒区域、緊急時避難準備区域、特定避難勧奨地点、計画的避難区域、なんでもない地域の5つに分けられています。私は今、胸に累積線量計をぶら下げています。アメリカ軍が兵士に配っているものと同じものです。これは10マイクロシーベルト/hのところに近づくと警報がなります。5月12日から計算して544マイクロシーベルトなので、だいたい一日5マイクロシーベルトの外部被爆を予想せよということです。しかしこれは食べ物についている放射性物質、水に含まれているもの、あるいは当初含まれていたヨウ素を計るわけにはいきません。あくまで外部被爆です。
今の福島の現状をお話しします。3万6千人の福島県民が県外に住民票を移転しています。そして県内避難者は7万人。3月11日以降職を失った方、4万6千人。子ども達の現状は夏休みあけて約1万人の小・中・高・特別支援学校の子ども達が県外の学校に転校しています。
食べ物は、牛、牛乳、キノコ、野菜の多くが食べられません。セシウムが出ています。
海の状態は、7月14日の調査の結果、国の暫定基準値が500ベクレルですが、 アイナメ700ベクレル、カレイ750ベクレル、ひらめ760ベクレルです。更に深刻なのは川魚です。どうして川かというと、今除染でいろんなことをやっていますが、流れ出た水はどこにいくのでしょうか?川に流れれば、放射性物質が蓄積されます。そこの苔などを食べる鮎は1610ベクレルでした。
私達福島県人が失ったものというのはお金では買えません。取り戻せないものを失いました。チェルノブイリを基準だと800km2が強制避難の地域です。山口県に当てはめれば1割以上の土地がそこには人が住んではいけない地域になります。そうした山口県を想像していただきたい。人が住んでは行けない土地の隣で安心して子どもが育てられますか?今起きていることはそういうことです。
続いて、畑、こういったものは私たちだけが作ったものではありません。江戸時代よりもっと前から、いろんな人々が苦労をしながら水田や畑を自然と共生しながら作ってきました。そういったものを今、福島県では何も作れない土地にしてしまった。私達は償いきれない過ちを過去の人達に犯してしまったのです。
最後に未来の人達に対して何をすればいいのか。この福島県内の状況を子ども達に残しておけない。だから子ども達は1万人も福島からいなくなったんではないですか?お子さん達は原発事故によってかけがえのない未来をある意味では喪失をする事態に追い込まれたのです。」
と福島の現状を報告されました。
連帯挨拶として、各地の原発訴訟を担っている弁護士や社民党山口県議会議員の佐々木明美さんが挨拶をされました。また社民党本部からも連帯メッセージが送られてきました。
続いて、「上関原発反対」「きれいな海を守ろう」などの声を上げながらデモ行進を行いました。
デモ終了後、集会宣言を採択し、参加者全員で「上関原発反対」のシュプレヒコールをあげました。