被爆二世の総会で決議文採択

6月5日、当会は岩国市に於いて第5会総会を行いました。
総会でお話しいただいた岩国の被爆者の方は
「福島原発の事故や津波の被害に遭った街を見ていて66年前の広島を思い出した。
専門家と呼ばれる人が原発から漏れた放射線の影響を『直ちに影響はない』と言う。
しかし内部被曝は恐ろしい。絶対に上関原発を建てさせてはいけないし、
原発をなくさなくてはいけない」
と言われた。
総会では三つの決議文が全会一致で可決された。


山口県知事 二井関成 様

上関原発建設計画に反対します

貴職におかれましては、いつも県民のための重責を担ってくださり感謝申し上げます。
私達は広島・長崎の被爆者の子どもや孫、その支援者で構成されている被爆二世の会です。
被爆者は被爆後66年が経とうとする現在も放射能の影響で苦しんでいます。
その子どもである被爆二世も病気で苦しんでいる人がたくさんいます。
3月11日に起きた地震及び津波により福島原発が大変な事故を起こしました。
3ヶ月近く経つというのに未だ収束していません。周辺地域の被曝線量は高いままです。
日々、多くの労働者や住民が被曝しています。原爆の被爆者である親と共に暮らしてきた私達はこうした状況が耐えられません。核と人間は共存できないのです。
また原発を稼働させるときに発生する膨大な使用済み燃料=核廃棄物の処理を後世に押し付け、後の世代まで被曝させる危険があります。その核のゴミは核兵器(「劣化」ウラン弾を含む)の原料にまでなっているのです。
私達は毎年、祝島と長島を訪れています。今、中国電力が上関原発を建設しようとしている長島は豊かな自然が残るすばらしい場所です。特に田ノ浦にはスナメリやナメクジウオ、スギモク、カンムリウミスズメなどが生息しており、訪れる度、この貴重な場所を未来に残さ
なくてはと思います。祝島では島民によって原発の金に頼らずに自分達の生活を守ろうと、様々な島興しがなされています。祝島の方達が生き生きと活動される姿は、他の過疎地域も見習うべきもので、山口県の誇りです。
県民の命を守るため上関原発の建設計画を白紙撤回してください。

2011年6月5日(日)
被爆二世の会 第5回総会参加者一同


山口県知事 二井関成 様

米軍再編による米軍岩国基地への空母艦載機部隊の移駐を拒否してください
愛宕山に米軍住宅を作らないでください

貴職におかれましては、いつも県民のための重責を担ってくださり感謝申し上げます。
私達は広島・長崎の被爆者の子どもや孫、その支援者で構成されている被爆二世の会です。
ご承知のとおり山口県は人口比で広島・長崎に次ぐ被爆者の方が住んでいます。
その山口県の中では岩国市に最も多くの被爆者が住んでいます。戦争がなければ原爆が投下されることはなく、被爆することもありませんでした。私達はこれまで多くの被爆者から体験をお聞きしました。その方々は異口同音に「戦争はもうこりごりだ」と言われます。
現在、日米両政府は在日米軍再編の協議にともない米軍岩国基地に米軍厚木基地の空母艦載機部隊を移駐させようとしています。しかし私達は地域住民と共に空母艦載機部隊の移駐に反対しています。ましてや愛宕山開発住宅跡地の米軍住宅化は断固反対です。

 日本政府は北東アジアの平和のためといいますが、私達は軍隊による「平和」は望みません。
米軍岩国基地への空母艦載機部隊の移駐を拒否してください。

2011年6月5日(日)
被爆二世の会 第5回総会参加者一同


アメリカ合衆国 大統領
バラク・フセイン・オバマ・ジュニア 様

米国のあらゆる核実験に抗議する

貴国は、今年3月、強力なエックス線を使い新しい形の核実験を行なったことを明らかにしました。
私たち被爆二世の会は、この核実験に強く抗議します。核実験及び核兵器の保有が生み出すものは他国の民衆の抑圧と自国の民衆の核被害(被ばく者をうみだすこと)しかありません。
66年前の貴国は8月6日広島、8月9日長崎に原爆を投下しました。原爆は男女、年齢、国籍、職業の区別なく被害を与え、1945年末までに14万人の人々が亡くなったと言われています。
生き残った被爆者も原爆による後遺症に苦しんでいます。しかも、被爆二世・三世にも原爆被爆の遺伝的影響が及ぶ可能性があります。
また劣化ウラン弾も放射線被害を被らせる悪魔の兵器です。貴国は劣化ウラン弾をイラクやアフガニスタンで使用しました。そこでも多くの被爆者が生まれ、劣化ウラン弾による放射線障害で苦しんでいます。
以上のことより、核兵器(劣化ウラン弾を含む)の使用はもちろん製造も保管も実験もすべきではありません。貴国は即刻、あらゆる核実験をやめ、すべての核兵器を廃棄すべきです。
そして貴国は広島・長崎への原爆投下が人道上許すことのできない無差別の大量殺戮兵器の使用であったことを認め、被爆者に謝罪すべきです。またイラクやアフガニスタンの民衆に謝罪と補償をすべきです。
同時に私達は、アジアからの全ての米軍基地の撤去を強く求めます。アジアの国々は米軍がいなくても、互いにお互いの国の民衆を尊敬しあい、共に助け合いながら生きて行くことができます。それを阻んでいるのは他ならず、岩国や沖縄など初めとする日本全土にある米軍基地
なのです。
貴国が核兵器廃絶を本気で目指すのであれば、まず貴国が所有する全ての核兵器を廃棄し、アジアからすべての米軍基地を撤去してください。

2011年6月5日(日)
被爆二世の会 第5回総会参加者一同


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