全国被爆二世団体連絡協議会 2012年全国総会宣言
総会宣言
原爆被爆から67年目を迎えようとしています。1945年8月6日広島に、8月9日長崎にアメリカ軍によって投下された原子爆弾によって、20万人を超える人々が殺され、そして傷つきました。生き残った被爆者も原爆放射線の後障害に苦しみ続けてきました。そして、原爆の被害は私たち被爆二世・三世にも引き継がれてきました。
被爆したのは日本人だけではありません。日本の侵略戦争の結果、アジアから連れてこられた多くの方が被爆しました。私たちはこれまで、日韓被爆二世交流会を11回重ねてきました。その中で学んだのは日本の侵略戦争が如何にアジアの人たちを苦しめたかであり、未だに日本政府が謝罪しないためその苦しみが続いているということです。私たちは原爆の被害者ですが、侵略戦争の加害者であることを忘れてはなりません。
昨年3月11日に起きた東日本大震災と津波は、自然の驚異の前に人間の力が如何に弱いかをまざまざと見せつけました。そしてそれに続く福島第一原発事故は私たちが訴えてきた「新たなヒバクシャを作り出したくない」という願いを打ち砕きました。政府は昨年12月に「収束」宣言を行い、除染作業を行っています。1945年9月、アメリカ政府は原爆の被害を覆い隠すため「原爆の放射能で死ぬべきものは死に、苦しんでいるものはもういない」と発表しました。「収束」宣言はこれと同じ事です。アメリカ政府も日本政府も核の被害を過小評価しています。決して許すことは出来ません。全てのヒバクシャに国による援護を実現していきましょう。
このような情勢の中で、被爆二世の社会的役割はますます重要になっています。昨年は各地で被爆二世の会が結成され、交流を実現してきました。私たちの共通の思いは「二度と侵略戦争を起こさない。加担しないこと」「再びヒバクシャを作らないこと」です。また高齢化する被爆者に代わり、私たち被爆二世が被爆の実相を世界に広めていかなければなりません。そしてフクシマの被曝者と連帯し、核と人類は共存できないことを強く訴えていきましょう!
2012年2月4日
全国被爆二世団体連絡協議会「2012年全国総会」参加者一同